「……ふへへっ」

「もこちゃんも一緒に食べようっ?」

「うんっ」

「フルーツいっぱいのってて楽しいね!」



わうくんのよろこぶ顔を見ると、今日の朝早起きしてスーパーに行ってよかったと思う。

ショートケーキの上に、いちごがひとつしかのってなかったから、朝たくさんのフルーツを切ってのせたんだ。



「……ん……おいひい」



フルーツとスポンジとクリームをスプーンですくって一口食べるとびっくり。

すごくおいしい。


……甘い



「あれ、もこちゃんのチョコプレートない」

「あっいいのっ……わうくんに食べてほしいから」

「はんぶんこ」

「えっ……いいのに……ふふ、いいの?」

「うんっ……あ、」

「……ん?」

「……桜だ」

「あ……へへ」



わうくんの口の端がふっと優しく緩んだ。



「だいすき」



すこし潤んだ瞳に胸がドキッと鳴る。




「……え、わうくん泣いて、んっ」




言わないでと言わんばかりに、チョコプレートの半分をキスをするようにくわえさせられて、口のなかは甘いでいっぱいになっていく。

近距離で目と目が合って、ドキッとした。



「……っ」



パキッ


先に割ってしまったのは私で、わうくんは残りを照れながらもぐもぐしている。


私はというと……



「……っ?……?」



ドキドキしすぎてしまって、味が分からなくなってしまいました。


今日のわうくんは……ちょっぴりビターな甘さです