「わうくん目閉じて〜」
「?はぁい」
「じゃーん」
「ん、もこちゃん?」
「あっ目あけていいよっ」
「いいの?」
「うんっいいよっ」
「わぁあ〜〜ケーキだっ!!」
「じゃーん……フルーツケーキです」
ふたりで一緒にキラキラ光るイルミネーションをつくったり、風船をふくらませたり。
たっくさん飾り付けしたあと、わうくんへケーキをサプライズ。
……ホールケーキみたいに大きくないけど……よろこんでくれるかな?
「やったぁ〜〜もこちゃんありがとうっ!」
わうくんの目は、まんまるになってキラキラ輝いている。
へへっ……よかった……
「すごいもこちゃんが作ったの?」
「ぁ……ううん……これは……きのう帰り道に見つけて……――」
――『……ぁ』
昨日ショッピングモールを出た頃にはもう、すっかり空は暗くなっていた。
とぼとぼ駅に歩いていると、ぽつんとオレンジ色のあたたかい光が見えて……
『ぁ、いらっしゃいませ……すみませんお客様……ケーキが残りふたつとなっておりまして』



