――ピンポン
「あっはぁいっ、わっ」
あぶない……転ぶところだった……
ガチャッ
「ふへへ……いらっしゃぃ」
ドアを開けると、満面の笑顔のわうくん。
今日は楽しみにしていたクリスマスデート。
「っ!もこちゃんおはよぅーっ」
「……むぅっ……」
ぎゅむっと肩まわりに抱きつかれてすこしよろける。
すぐに、わうくんがぐいっと引き寄せて支えてくれた。
「ごめんねもこちゃん、痛いとこない?」
「ないよ」
ほんとうに痛いところなんてないのに。
わうくんはジーっと私を見つめて、それから頬やおでこを撫でるように触った。
「わうくん……?ほんとにどこも痛くないよ……?」
わうくんはホッとしたようにはにかむ。
そして次は優しく、髪を結うように右手を添えられて、左手はそっと腰に……
ゎ……なん、だか……はずかしぃ
「……ゎうくん鍵しめてください」
「……ごめんなさい」
カチャッ。
温もりが離れてちょっぴり寂しい。
しょんぼり平べったいミルクティー色の髪に、背伸びして手を伸ばすと、いつもわうくんは少しかがんでくれる。
そして、わしゃわしゃと髪を撫でると、ぽわってふくらんで、……かわいい。



