春風、漫ろに舞う

「…キス…。」



最後のキス。
あれなに、カッコよすぎ。
ずるいよあんなの。
初めての彼氏でこんなに戸惑ってるのに、向こうは慣れてる感じして。


余韻が残る唇をそっと撫でる。
それだけで、さっきのことが思い出されて恥ずかしくなった。




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「芽来と2人なんて珍しいね。」


「ほんとだね。柑奈、大丈夫なの?」


「ただの風邪みたい。」



李月と2人で、お昼を食べながら。
そんな話をのんびりとする。
今日は、柑奈が夏風邪ひいたとかで休みだった。
やっぱりわたしも休めばよかった…。



「そういえば、芽来今日はパンなの珍しい。
いつもお弁当なのに。」


「今日はわたしが寝坊して作れなかったんだよね。
お母さん夜勤明けでまだ帰ってなかったし。」



咄嗟に出た嘘。
昨日の出来事は言えないから。