「ん…。」



気がつくと、見慣れない天井が目に入ってきた。


…どこ?ここ…。
ゆっくり身体を起こして、辺りを見回すも全然知らないところ。


黒を基調にした、シックな部屋で。
必要最低限の物しか置かれていないようで、お掃除ロボットが忙しそうに動いている。



「起きたか?」


「あっ、一条さん…ここは…。」


「俺の家だ。
昨日あのまま連れてきた。」


「すみません…ご迷惑をおかけして…。」



そうだった。
思い出した、昨日……。


意識した途端、あのストーカーが頭に出てきて、わたしを見てる。
嫌だ、怖い。
また、また逃げなきゃいけないの?
怖い、気持ち悪い、助けて。

ガタガタとらしくもなく震え出す身体。
怖い、怖い、怖い。