「ここまでで良い。」


「承知。
…ではまた明日、お迎えにあがります。
俺は仕事に戻りますが、終わり次第、十葵が来ると思うので。」


「……ああ。」



ベッドに寝かせた芽来の頭を撫でる。


可愛い。
初めてあの公園で会った時から、ずっとそう思っていた。
一目惚れなんて、絶対有り得ねえと思ってたのにな。


元々、女にはあまりいい思い出が無い。
俺の身分や金欲しさに近づいてくる女ばかりだったから。
もう懲り懲りだと思っていたんだが…。



「本当は…見ているだけでよかったんだ。」



俺は、極道だから。
カタギでましてや表の世界で生きている女子高生をこの世界に連れてくる気持ちは毛頭なかった。…無かったはずなんだ。

それなのに、お前のことを思えば思うほど惹かれている自分がいてな。
いつしか、お前を自分のものにしたいって思っていたよ。