春風、漫ろに舞う

ー藤雅sideー



「まさか本当だったとはな。」


「びっくりしましたね、若。」



泣き疲れて眠った芽来の頭を撫でながら。
俺の家へと向かう車の中で、側近の蒼樹(そうじゅ)そう答えた。
十葵には、芽来をつけていた男の処理を任せている。


あの時、いつも通り一条で経営している飲み屋に仕事で来ていた俺の元に1つの情報が入ってきた。
制服姿の女子高生が紛れ込んでいると。
それも泣きながら。

それを見たのはうちの組の下っ端だったようで、詳しく聞くと特徴が芽来と一致した。


仕事を蒼樹に任せて、駆けつけると。
そこには泣いてはいるけど、ストーカーに見えないように唇を噛み締めながら早歩きで歩く芽来と、その後ろをニヤニヤしながらついている男がいた。