「芽来さんのお目通しどうなりますかね。」


「…おいたが過ぎるようなら、潰すのみ。
それだけだ。」


「あの見た目に、社会的地位…。
同盟を結んでるからといって、一条に忠誠を誓っているわけではないですからね…。」


「愛人辺りに欲しがる奴はいるだろうね。
まあ、若の女だって分かってはいるから大丈夫だとは思うけど。」


「当日、芽来が行くようなら周辺の護衛は手厚くしといてくれ。
芽来を1人にするつもりないがな。」


「承知。」



それから、仕事の話をして。
2人を返らせてから、俺はまた芽来の寝てるリビングへと足を運ぶ。



「…誰にも、渡さない。」



絶対に。
他の男に見初められようとも、俺が先に見つけた俺だけの女だ。


…それにしても。
昨晩のことは、どうにも気にかかる。

芽来と母親の関係は、悪くない。
むしろ良好で…実家に帰った次の日は、俺に嬉しそうに母親と話したことを話してくる。
俺が一緒に泊まった時も、仲良さそうにしていた。



「…父親か……?」



芽来から、ほとんど話を聞いたことがない。
確か単身赴任中で、ほとんど家を空けてると前に話していた。


あまりしたくはないが、少しだけ調べさせてもらうぞ。
例え、肉親であろうと。
芽来の害に成りうるものは、潰しておくべきだ。
可能性の範疇であろうとも。