「そういえば、若。
明後日の会合は、どうされますか?
今回は芽来さん連れていきますか?」


「今回は連れて行く。
一条なら大丈夫だろ、俺の目が行き届く。」


「承知致しました。
若が、会合に芽来さん連れて行くのは初めてですね。」


「…一条以外の組には連れて行かせない。
他の組の奴らの目に触れさせたくない。
一目惚れなんてしてみろ、理由は十分だ。
組ごと潰してやる。」


「まったく…。
他の組でも有名ですよ。
藤の君が、寵愛する一条の姫。」


「言わせておけ。」



十葵の言葉を軽く流して。
芽来の体調次第で決める、と付け加えておいた。


今度の会合は、いつもに比べて大規模で。
傘下の組だけでなく、同盟を結んでる組も来るから芽来の存在を知らせるには丁度いい。



「着物の手配は?」


「無事滞りなく進んでおります。
藤色のお着物をご用意致しました。」


「それでいい。」



俺と合わせた、似たデザインの着物を芽来用に仕立て上げた。

本人に言うと、遠慮して気にするだろうから当日までのお楽しみ。


芽来の着物姿…想像するだけで、口元が綻ぶのが分かる。
絶対に綺麗だ。
芽来の美しさをより引き立てるに違いない。