春風、漫ろに舞う

芽来の様子を気にしつつ。
事務仕事を隣で片付けていると。



「若〜、お邪魔しますよ。」


「…失礼致します。」



予め連絡を入れておいたから、十葵と蒼樹はいつもより声を潜めて入ってきた。

眠っている芽来を一瞥すると、俺に様子を尋ねてくる。



「芽来ちゃん早く良くなると良いねえ。」


「何か必要なものがあるなら、買ってきますので仰って下さい。」


「…そうだな。
昨日のことを話せ、向こうで聞く。」



芽来を起こしたら悪いから、いつもの仕事部屋に戻る。

昨日、途中で切り上げた仕事の話をするために今日は2人を呼んだからな。
込み合った話になるだろう。



「若がオーナーの飲食店、相変わらずの売上でした。
しかし最近近くに、大衆居酒屋が出来たようでそこに来る大学生達が暴れているそうです。」


「…ほう。」


「鷹宮の店で、酔った大学生に暴行されそうになった女を保護したとの事でした。
粗方、飲みサーか合コンか…でしょうね。」


「あんまり酷いようならお灸を据えてやれ。
酒の飲み方も知らないようなガキ相手にしてる暇は無いんだがな。」


「承知。」



目を通さなければいけない書類を片手に、十葵達からの報告を受ける。

明後日にある会合の書類だ。
昼から、一条の本家で行われるから芽来の体調が戻っていれば連れて行くが…。