春風、漫ろに舞う

「何でするのかは分からない。
私、看護師なのに失格よね。
病院に行くように勧めたりもしたけど…大丈夫って笑うだけ。」


「…いつから、なんですか。」


「1番最初は…中学生頃かな。
入学してすぐくらいだった。
友達も居たみたいだし、イジメにあってるわけでもなかったようだし…。」


「そうですか…。
ひとまず、今日はこのまま連れて帰ってもいいですか?」


「めぐがそれを望んでるようだし、藤雅くんの迷惑にならないならお願いね。
今、学校の荷物とか持ってくるから。」


「すみません。お願いします。」



母親が荷物を取りに戻ったのを見て。
俺は、車のドアを開けて預かったブランケットを渡したジャケットの上から掛ける。

安心したのか、疲れていたのか。
涙を浮かべながらも眠っていた。



「暖房、入れてますから。」


「ああ、頼む。」


「藤雅くん、これお願いね。」


「はい、お預かりします。」


「…風邪、引かないようにね。」



荷物を車の方まで渡しに来てくれた母親は。
悲しそうな顔をしたまま、芽来の頬を撫でてから家に入って行った。


それを見届けてから、俺も車に乗り込んで自宅へと向かう。