わたしの初めてのランウェイは、大成功に終わったようで。
裏に戻った途端、興奮しきった三橋さんにぶんぶんと手を握られた。



「最高です!!巡さん!!本当に!!
1番眩しかった!貴女が!!!」


「え、ほんと…?」


「本当です!!
本職のモデルなんて顔負けに!!
審査員の方々も褒めていらっしゃいましたからね!!!
あー!貴女に着られたこの服が羨ましい!!
未来のパリコレモデルに着て頂いたなんて、三橋は一生誇りに思います!!!」


「お、落ち着いて三橋さん。」



矢継ぎ早に捲し立てる彼女を宥めつつ。
わたしは、ペットボトルのお茶を片手にほっと一息ついた。


でもよかった、喜んでもらえて。
この服を作った張本人が、こんなに喜んでくれたなら頑張った甲斐があった。



「ねえ、三橋さん。」


「ん?なんですか?」


「…今日は本当にありがとう。
モデルなんて、初めてだったから至らない所があったらごめんなさい。」


「こちらこそありがとうございます!
巡さんに頼んで良かったです!」



着替えを済ませて、改めてお礼を言うと。
三橋さんに別れを告げた。


今日はもう、疲れた。
本当はこの後にある、有志の演し物を見る予定だったけど帰ろう。
瑛とは元々、ここで解散するつもりだったし。