春風、漫ろに舞う

「藤雅~?準備しないの?」



着替えもメイクも済ませて。
髪にヘアアイロンを通しながら、ベッドの方へ声かけると。
既に藤雅も着替えは済ませていたみたいで、洗面所にくるとわたしを後ろから抱きしめてきた。


これも家と変わらない、お互いが休みの朝はこんな感じ。
基本は、藤雅が仕事から帰ってくる頃にわたしが学校へ行く支度をしてるから。
お風呂上りの藤雅に抱きしめられるか、寝ぐせがついた藤雅に抱きしめられるかのどっちか。



「つかう?アイロン。」


「芽来やって。」


「はいはい。
ほら、前来て。少ししゃがんで。」


「ん。」



ヘアケア商品を藤雅の髪につけてから、丁寧に寝ぐせを伸ばしていく。


わたしのお気に入りのヘアミストを使うようになってから、藤雅の髪も前よりもツヤツヤになったらしくて。
こんなに変わるんだなって驚いてる藤雅も可愛かった。



「朝ご飯、バイキングなんだっけ。」


「ああ。行くか?
芽来、あんまり朝は食わないだろ?無理しなくていいぞ。」


「ありがと、でもせっかくだから行こうかな。
藤雅は朝食べないと、元気でないでしょ?」


「昔から、朝ごはん食ってたからな。
お袋が食わせてくるから。」



そんな話をしつつ、準備を進めて。
朝ごはんの会場へと向かった。