春風、漫ろに舞う

芽来side



「おはよ。」


「おはよう…。」



まだ眠いけど、藤雅には触れていたいから。
抱きしめていてくれた藤雅にもぞもぞとくっついて、もうひと眠りつこう。


良かった。
わたしが目覚めたとき、隣にいてくれて。
ふふ、大好き。
今日も一日愛してるよ、よろしくね。


そう伝えたいけど、眠気が勝って瞼が落ちてくる。



「もう少し寝てていいぞ。
芽来が起きれたときに出発して帰るか。」


「帰りに、アイス屋さん寄ってくれる…?」


「良いぞ。
来た時も行ったところだろ?
次は抹茶だな、芽来はなに選ぶか楽しみだ。」


「…くっきー、くりーむ…と、チョコかなあ…。」


「昨日と同じだな。」


「美味しかったからねえ…。」



微睡みの中で、こうやって藤雅と話すの好き。
平和な時間が流れていて、穏やかだから。


こういう時は、藤雅の職業のことだって忘れそうになる。
いつ、命を落とすか分からない仕事だってことも。



「…んー…。」



大抵、こうやって話してると目が覚めてくるから。
起きて伸びをして藤雅の頬にキスしてから、身支度に取り掛かる。


今日もいい天気、暑そうで最悪。
だけど、ここから見える太陽に反射した海の煌めきが素敵で。
いつもより、いい気持ちで過ごせそう。