春風、漫ろに舞う

「十葵は何してたの?」


「蒼樹たちとサーフィン。
藤雅もいるから、芽来ちゃんもおいでよ。」


「わたしはいいや、暑いし。
凄いね、サーフィンなんて。」



持ってきてたハンディ扇風機の向きを十葵の方に向けてあげる。

ずっとここにいるわたしには熱風しか感じないけど、海からあがってきてる十葵には少しくらい涼しいと思うから。



「うわ〜涼しい、ありがとう。
芽来ちゃん暑くないの?長袖だし。
日傘持っておいでよ、足つけるくらいでもちょっとは涼しくなるよ。」


「…それくらいなら、いいかも。」


「でしょ?
飲み物持って行こう。…こっちだよ。」



十葵は、クーラーボックスから飲み物を数本取ると砂浜の方へ歩き出した。
チラチラと何度もわたしの方も気にかけて。



「人多いねえ…。」


「学生も居るし、家族連れもいるからね。
…藤雅、飲み物。」


「おう。…芽来も来たのか。
大丈夫か?」


「大丈夫だよ。」



十葵から飲み物を受け取りに海から上がってきた藤雅は、わたしを見つけると駆け寄ってきてくれた。


水も滴るいい男…ってやつですかねえ。

髪からポタポタと垂れる水滴を拭っているだけなのに、何故かカッコよくて緊張する。
藤雅のこの姿なんて、お風呂上がりにも見ているはずなのに。
海のせい?それともこの太陽?
理由は分からないけど、かっこいい。