春風、漫ろに舞う

「でも僕は、もちろん煌月を抜けるつもりも辞めるつもりもない。」


「…うん。」


「だから安心して。
僕は、君と音楽を作りたくて入ったんだ。
僕の曲に君が詩と声をのせる。
僕は…巡の作る繊細で独特な世界観が好きなんだ。」


「…なんだか恥ずかしいね。」



真っ直ぐな目をして言ってくれるから。
曲を褒められてるのに、わたし自身が褒められてる気持ちがして。

真っ直ぐに、柊を見ることが出来ないや。



「ねえ、柊。
柊はこれから煌月をどうしていきたい?」


「どうって…。」


「来年には受験だから。
休止にするか、それとも解散にするか。」



パスタを食べる手を止める。


最近、漠然と考えてた。
この先どうしていこうか。
わたし達は、学生だから出来ることだって限られてるし期間だって限られてる。



「わたしは今の予定、専門学校の推薦を受けるつもりでいる。
言い方悪いけど、1人でも時間は作れる。」


「巡はそこまで考えていたの。」


「うん。
作ったのがわたしなら、終わる時もわたしが考えるべきだと思ったから。」


「…僕は大学に行く。
推薦をとれたら、僕も続けられる。
取れなかったら…僕は休止する。
だけど、解散なんてしないで。お願い。」


「…分かった。
他の3人にも聞いてみてから考える。」



藤雅と居るようになってから、この活動に何か支障が出るかと気がかりだった。
反社会勢力と、関係があるなんて絶対に良くないことだから。

今のところ、大きな支障はないけど…。
支障が出る前に辞めるのもありかと思う。
藤雅を傷つけることになるかもしれないし。