春風、漫ろに舞う

「ああ、うん。見たよ。
それじゃあ、また明日。5時頃ね。」



明日の約束をして電話を切ると。
バンドメンバーと話したことで創作意欲が掻き立てられたわたしは、パーカーだけを羽織って外に出た。


イヤホンを耳に挿して、鼻歌交じりにいつもの公園に向かう。

時間も遅く、いつもの猫ちゃんももう居ない。
誰もいない公園でわたしは1人歌い出す。



「八重霞、彷徨い歩く
夢から醒めて気づく思いは涙のひとしずく
真っ直ぐ貴方の元へ…
……違うな、これじゃない。」



半年前くらいから温め続けている曲。
どうしても、思いつく歌詞が浮かばなくて。


なんでだろう。
他の曲なら、ポンポン歌詞が浮かぶのに。