待ち遠しい。
早く、来ねえかな。
一分一秒でも離れていたくない。
芽来のことで、俺が知らないことなんてないくらいにしたい。



「…お前は俺のものだ。」



本当は、誰にも会わせない。
ここから1歩も外へ出さない。
お前が視界に映すのは、俺の姿だけ。
お前が耳に入れるものは、俺の声だけ。


俺が用意した部屋で、俺が用意した服を着て。
俺が用意したご飯を食べる。
あいつの世界の全てが、俺になればいいのに。



「…そんなこと、望まねえだろうな。」



芽来は。
俺が出会ってきた女の中で、一番…俺を俺として見てくれた女だ。


俺の立場、俺の金。俺の見た目。
今までの女は全部、それに惹かれて寄って集って。
……俺を見ようとは、しなかった。


だけど、芽来は違う。
最初から俺の中身を見てくれた。
俺がどんなに情けないところを見せても、離れるどころか受け入れてくれた。