「なのでお母様。
万が一の為に、お嬢様を一条で預からせては頂けないでしょうか。」


「そうねえ…。
何かあってからでは遅いからねえ…。」


「若のマンションは、セキリュティは勿論のこと他の階には組員も住んでおります。
今はありませんが、見張りが在中する事もありますので…何かの際は、すぐに対応することが可能です。」



あの花火大会から数日。
夏休みもあと1週間ちょっとで終わるこの日、藤雅は我が家に来ていた。

一緒に暮らすこと、藤雅のお仕事のことを話すために。


わたしの隣に座っている藤雅は、いつもよりもビシッとした格好をしているし。
おちゃらけている十葵も、そんな素振りは一切見せていない。
蒼樹さんは…いつもと変わらないかな。



「でもまだうちの子、高校生だしねえ…。
言い方悪いけれど、貴方たちと関わってこの子の未来がどうなるか心配よ。
…芽来も、そこのところちゃんと考えているの?」



心配そうにわたしを見るお母さん。


それはそうだ。
心配になるに決まってる。
だけど…わたしは、藤雅と一緒にいたい。


ここにいるより、安全な気もするから。
わたしの気持ち的に。