春風、漫ろに舞う

「きっと、私たちのことを知らない人達が多数だと思うので。
ここで少し、煌月の紹介をしたいと思います!
私たち煌月は、衣装も楽曲も全部オリジナルでやっています。」


「うちのボーカルが作詞して、ベースが作曲してんだよな!
あ、俺はドラムの彪でーす!」


「彪くんかっこいいー!!!」


「それで、こちらがうちの美人ボーカルの巡です。」


「…あ、巡です…。」


「うちの楽曲は、先程も彪が言ったように巡が全部作詞しています。」


「巡ちゃーん!!」



ここでわたしに話が振られると思わなくて。
覚悟はしていたけど、話すのが苦手なこともあって大したことは言えなかった。

曲が終わると途端にこれだからな…わたしは。
もう少しトーク上手くなりたいね。


愛想笑いで観客に笑いかけながら、視線を彷徨わせて何となく探してみると。



「…!」



居た。見つけた。
観客席ではなくて、関係者席で足を組んでこちらを見ている藤雅。


さっきも思ったけど、やっぱりスーツ姿の藤雅はかっこいい。