「はあ…。」



あれから、李月たちと別れて。
わたしはいつも通り近所の公園で一息ついていた。

バイトの時よりも、時間が早いこともあってチラホラとデート中の学生らしきものもいる。



「お前もわたしと一緒でひとりぼっちなのかい?」



たまたま、隣に座ってきた猫に話しかける。
首輪がついているのを見るに、この子はどこかの飼い猫らしい。

猫ですら、帰る場所があるのね…。
君が羨ましいよ。
きっと、そこに存在しているだけで可愛がられているんだろうね。


猫の頭を撫でると、可愛らしくゴロゴロと喉を鳴らして。
わたしの方へ擦り寄ってきた。



「一緒にしてごめんね、君はひとりじゃないみたい。飼い主さんは可愛がってくれてるのかな、毛並みもいいもんね。」



触り心地のいい毛並み。
ずっと撫でていたいけど、なんだか今日は疲れたからもう帰ろう。


猫に、またねと。
そう告げて、わたしは家に帰った。