「巡、柊。
2人はどうするの?ご飯買ってくる?」


「…僕は近くのコンビニで買ってくる。
瑛は持ってきてるの?」


「うん。
お母さまが、おにぎり作ってくれたから。」


「そうなんだ。
…巡、コンビニで良いなら僕が買ってくる。
何がいい?」


「あ、いいの?
ならサンドウィッチ買ってきてくれる?
具材はなんでもいいから。」


「分かった。」



柊にお金を渡して、わたしは控え室という名のテントの下で伸びをした。


これのどこが控え室なの?
小学校とかの運動会であるようなテントじゃない。
着替えは、出演者専用の更衣室でしなきゃいけないみたいだし。
混まなきゃいいけど…。



「ついに本番だね、緊張しちゃうな。」


「そうだね。…でも、大丈夫。
あんまり気張らないで、楽しくやろう。」


「そうだね。
その為に衣装も仕立てたし、MVも作って…それを流してもらうんだもんね。」


「瑛が頑張って作ってくれたから。」