私が恋をしたのは、冷酷な完璧イケメンでした。

「目標高くね!え、凄すぎ!」


「…う、うん。ありがとう」


なんか柊が結城くんの次にモテる、かっこいいって言われてる理由、わかる気がするなぁ…。


こんな私にも分け隔てなく真っ直ぐ接してくれるなんて。


「じゃあさ!」


「ん?」


「テスト終わったら俺が紗蘭にジュース奢る!」


それは、、一体どういう…


「紗蘭こんなに頑張ってんだからさ!100点取れても取れなくてもご褒美ないと!っていってもジュースだけどいい?」


なに、この素晴らしい人格者…


取れても取れなくてもって…人が良すぎないかな。


嫌味も一切ない言葉と笑顔。


私も、私もちゃんと返さなきゃ…


「…じゃあ私も柊にジュース買う!」


「お!マジ?お互い頑張ろ!」


さりげなく出された手。ハイタッチ…?だよね


「うん!」


そっと手を伸ばすとパチンッと乾いた音が鳴る。


そして私は、心からの笑顔を柊に向けた。