私が恋をしたのは、冷酷な完璧イケメンでした。

そんなふうに1人、ニヤニヤしていたら、それを不気味に思ったのか誰かの影がかかった。


「最近めっちゃ頑張ってるよね、羽月さん」


「え?あ!川村くん!」


目の前には爽やかな笑顔で私の机に頬ずえをつく同じクラスのモテ男子、川村くんがいた。


「柊(しゅう)って呼んでよ」


「柊…」


「うん、俺も紗蘭って呼んでいい?」


「あぁ、うん」


すごいなぁ、かわ…じゃなくて柊。
私もコミ力見習いたい。


「てかさ、紗蘭なんかあったの?それともめっちゃ勉強とか頑張るタイプ?」


私に元々どういうイメージを抱いてたのか分からないけど、ノートを指差して首を傾げた柊。


「…ううん、そうじゃなくて。今回はちょっと目標があって」


「へ〜すごっ!どんな目標?」


「100点とったら…願いが叶う…みたいな?」


私が言葉を選びながらそう言うと、柊は突然机に手をついて身を乗り出した。