興奮気味に話す美姫ちゃんに思わず笑みがこぼれる。
「私、その人と紗蘭が出会った話、大好きなの!ね!もう1回話して!」
「うん!もちろん!」
教室へと足を動かしながら口を開く。
そして、丁寧に話し始めた。
───私が彼に出会ったのは……去年のクリスマスの日。
受験勉強があって、なかなか息抜きもしていなかった時、お母さんに「クリスマスくらい、出かけておいで」そんなふうに言われて特に用もなく、街を歩いていた。
友達と、恋人と、幸せそうに笑う人たちを見て、それだけで胸がいっぱいになっていた私の耳に、幼い子の泣く声が聞こえた。
「うわぁぁん!!!ままぁぁ」
頭上を見上げ、大粒の涙をこぼしながら1人で歩く女の子。
お母さんと……はぐれちゃったんだ……
ダメなのに、クリスマスはみんなが笑える日なのに……
「私、その人と紗蘭が出会った話、大好きなの!ね!もう1回話して!」
「うん!もちろん!」
教室へと足を動かしながら口を開く。
そして、丁寧に話し始めた。
───私が彼に出会ったのは……去年のクリスマスの日。
受験勉強があって、なかなか息抜きもしていなかった時、お母さんに「クリスマスくらい、出かけておいで」そんなふうに言われて特に用もなく、街を歩いていた。
友達と、恋人と、幸せそうに笑う人たちを見て、それだけで胸がいっぱいになっていた私の耳に、幼い子の泣く声が聞こえた。
「うわぁぁん!!!ままぁぁ」
頭上を見上げ、大粒の涙をこぼしながら1人で歩く女の子。
お母さんと……はぐれちゃったんだ……
ダメなのに、クリスマスはみんなが笑える日なのに……