さっきから私、ずっと下向いて話してるけど、これも結城くんの顔を直視しないため。


結城くんの顔って殺傷能力あるから。


「なぁ」


そう呟きながら、気だるげに頬ずえをつく気配がする。


「次のテスト、満点とったら願い1つ聞いてやるよ」


「…え?テスト?」


「ミニテストじゃなくて中間な」


お願い聞いてくれるって聞こえたから、食いついたけど……難易度やば…


「せめて95点とか…」


「あんたがやらなくていいって言うなら良いけど」


なるほど、変えるつもりはないってこと…


さすがに100点は厳しそうだけど、でも…結城くんからそんなこと言ってくれるなんて奇跡…


これを逃したらチャンスなんて…


「で?どうすんの?」


「やる!やってみる」


私が俯いてるから、結城くんがどんな表情をしてたのかは分からなかったけど、私には今までにないくらいのやる気が湧いた。