不器用女子は、落とされる。

数秒後、その唇はゆっくりと離れていった。


ぽかんとした顔で速川を見つめていれば、

「…その顔、マジで反則。」

ともう一度さっきの感触が唇に振ってくる。
それも、さっきよりも長い時間。


なに、この状況。


目の前には、近すぎて焦点が合わない速川の顔。

もしかして、キス、されてるーーー?



っっっっっっっ!?!?!?!?!?!?

速川の胸をドンドンと叩きまくっていれば、チュッなんてわざとらしい音をたてながらも、やっと唇が離れた。