不器用女子は、落とされる。

呆れた顔で言われた。
え、マジかっっ!!!!

「付き合ってないです…。」

「でも、もし告白されたら付き合う気はあるんでしょ?」

じーっと見られれば、自分でも分かるほど顔が熱くなっていく。思わずそれを想像してしまったからだ。

「それっ、は…」

「はいはい、もう分かったでしょ。さっさと付き合えお前ら。じれったい2人を見る周りの事もちゃんと考えな。」

はぁ、とため息をつくみゆは少し色っぽい。
だからか、何人かの男子の視線を感じる。
みゆも周りをちゃんと見た方がいいと思うけど、人のことは何も言える立場にないから黙っておく。

「……分かった。」

なんというか、みゆにはいつも救われてる。私がなんで悩んでいるかを的確に当てて、それでみゆなりのアドバイスをしてくれるのだ。私はいい友達を持ったなぁ。

「みゆ、好き。」

「やめて。あんたがそれ言うとあの王子が私を睨んでくるから。」