不器用女子は、落とされる。

そんな事があってから、かれこれ1ヶ月。
私は学校でとてつもない視線を感じる。
もちろん、原因は隣で前以上にくっついてこようとする速川だ。
少し前までは本気でやめてほしいと思っていたのに、今は受け入れつつある。
それが怖いのだ。

「いや、もういい加減受け入れなさいよ。」

中学から友達の「みゆ」こと美幸にスマホをいじられながら言われる。
いや軽いなっ!

「そうは言われても…」

「あいつとはとっくに別れたんでしょ?なら付き合っちゃえばいいじゃん。あんた、まんざらでもなさそうな顔してるし。」

「げっ。」

必死で隠してるのに、みゆにはバレてたのか。

「げっ、じゃないよ。多分だけど皆にバレてるから。というか、もう付き合ってると思ってた。」