私たちは落ち着くまでハグをしていた。
そして私は歩に気になっていたことを聞いた。

「ねえ、歩。歩はどうして私のことを好きになったの?」

「ん?あぁ、もちろん普段の千鶴の優しいとことか努力家のとこに惹かれたところもあるよ。だけど体育祭のとき千鶴が俺の初恋の相手だと気づいたのがきっかけ。」

あまりにも衝撃な言葉に驚いた。

「初恋……?」

「俺たちさ、小学生の時に会ってるんだよ。いつも2人で遊んでた。けど半年くらいしてから千鶴がまた引越して……」

私は小学生の時の記憶を思い出そうとした。確かに私は引越しを繰り返した。

「あ!あの時の……歩くん……!?」

全然覚えていなかった記憶がよみがえってきた。私の初恋の相手も…歩だ。

「歩ってわ、私の初恋の人ってこと!?」

「え、千鶴も初恋だったの!?なんだ俺ら元から両思いじゃん!」

「そうだね」

そう言って笑いあった。


それからしばらくが経った。

「あ、歩おはよ。」

「千鶴おはよう。」

まだぎごちないし恋人らしいこともあまりしてないけれどそれでも良かった。私たちには。

「そうだ。こっちゃんに付き合ったのになんか普通だよねって言われた!」

「いいんだよ。俺らは自分のペースで。」

「そうだよね。甘すぎなくて。」

「おう。喧嘩もなくて。」

「あ、甘すぎずに苦すぎずにみたいな?」

「それが俺ららしいよ。大好きだよ千鶴。」

その言葉に私は満面の笑みを見せた。甘すぎず、苦すぎずそれが私たちの距離でちょうどいい。

でもこれだけは続けたい。

大切な人と、大好きな歩とこれからと過ごせますように。