歩に呼び出された。きっと嫌われただろうからそれを伝えられるんだと思う。

本気の恋をしたと思う。失恋かもしれないけど好きな人と出会えたことが私にとって奇跡だ。

「あ、歩。わた」

「千鶴。好き。大好き。」

歩に謝ろうとした私をさえぎった歩の言葉はそんな思いもしなかった言葉だった。

「え……?」

混乱した。え、歩私のこと嫌いなんじゃないの……?

「ずっと言ってるでしょ。千鶴のことが好き。」

「ででも、私あんな態度とったし歩にも避けられてたから私のこと嫌いなのかと。」

「うん。避けたりしてごめんね。俺も千鶴の迷惑になってると思って千鶴が嫌なら近づかない方がいいって思ったから。」

「私も避けて嫌な態度とってごめん。」

「いいよ。謝んないで。じゃあ本題。」

グッと歩の顔が近づいた。

「千鶴が俺の事好きってほんと?」

その少し答えづらい問いにためらったがホントの気持ちを伝えた。

「ほ、ほんと」

「それって俺と同じ恋愛的な意味で?」

「う……うん。」

返事をした瞬間体がとても安心する何かに包まれた。そして今の状況を理解した。

歩に抱きしめられてる。
恥ずかしながらも手を背中にまわした。

「千鶴、大好きだよ。」

「うん。私も。」