次の日からわたしは悩みに悩んでいた。私が歩のことを好きになったことは言うべきなのだろうか…。

いやまず歩と目を合わせたり喋るだけで最近は意識してしまう…。

歩なんて絶対に運命の人じゃない。そう確信していのに。

「ちーづる、どしたの?俺が相談乗ったげよっか?」

「あ、歩!大丈夫だから。ね?」

そう言って私は逃げるようにトイレに入った。

やばいやばい。どうしよう…。これじゃあからさまに歩を意識してるってバレバレじゃん…。

歩がほんとに私をどう思っているかなんて分からないし、デステニーがあってるかもわからない。
だけどもうこれは、否定しない。私は歩が好き。

どこに惹かれたのかなんてわからない。気づいたら好きだった。

これじゃ歩にも失礼だ…。でもどうしても歩を見ると本能が避けてしまう……。

トイレからでると歩が待っていた。

「ちょっと。千鶴、ちゃんと話せ。」

「いや……あのぉちょっと無理というか……」

「千鶴。ちゃんと目みて。」

歩と目が合った。惹き込まれそうなくらいに大きくて綺麗な目。でもこの目を歩だと意識すると……

「あ、やっぱだめ!」

逃げ出そうとした私の手首を歩がつかんだ。

「ちょ、ちょっと!離して!お願い。」

「嫌だ。」

歩の顔が急に近くなった。私は意識して猛烈に恥ずかしくなって、つい……

「ち、近づかないでっ!!」

「え……」

あ、やってしまった。私が意識してるだけなのに歩を傷つけてしまった。

「え、ごめん。俺、千鶴にとって迷惑だった?あ、そっか俺の事嫌いだもんな。」

「ち、ちがっ」

「大丈夫だよ。ちょっと頭冷やしてくる。」

え、本当に違うの!ごめんっ。

「ちょっと待って……!」

歩の手首をつかもうとしたとき

「触んな!!」

入学当初のようなキツい態度をとられた。そして歩はどこかへ行った。


私はいつもこうやって人を大切な人を傷つけてしまう。