ああ。なんだか頭がふわふわする。

と同時に、絶叫マシンがレールから一気に滑り落ちていく時のような胃の不快感を覚える。

それが少しずつリアルになり、眉を寄せながら重い瞼を開いた。

「……!」

声にならない声が脳天を突き抜ける。

私の目に寝息を立てる斗真さんの顔がドアップで写った。

え?これはなに?

パニックになりながら、頭を必死に働かせる。

昨夜カーテンを閉めずに眠ってしまったんだろう。

斗真さんの背後にある大きな窓の外はすでに明るんでいる。

ここは昨日来たホテルの寝室……?

そうだ、間違いない。

この豪勢なベッドフレームとルームライトには見覚えがある。

寝ぼけた頭でなんとか昨日の記憶を手繰る。