しばし黙り込んでいた斗真さんは、ベッドを軋ませ、私の上に覆いかぶさった。

射抜くような視線を私に向け、それからゆっくりと唇を押し付ける。

アンバーの甘い香りを微かに漂わせながら、ゆっくりと口づけが繰り返される。

それは徐々に激しくなり、唇をこじ開けて舌を絡めとられた。

坂本さんの件で斗真さんにキスをされるまで全く経験がなかった私は、ただされるがまま息をするタイミングもわからない。

「ん……」

必死に酸素を取り込もうとして漏れた自分の声が甘く部屋に響く。

恥ずかしくて顔を背けようとすると、斗真さんはさせるまいと大きな手で私の頬を包む。

「瑞穂、ちゃんと俺を見て」

彼が艶っぽい声で囁き、今にも触れそうな距離で視線が交わる。

いつもと違う余裕がなさげな斗真さんの表情に、胸がキュンとして身体が疼く。

「煽ったのは瑞穂のほうだ。もう泣いても喚いてもやめない」

泣いても喚いてもって、これから何が起きるんだろう。

うまく回らない頭でそんなことを思ったけど、怖いとは思わなかった。

「斗真さんになら、何をされてもいい…」

彼の目に獰猛さが宿り、痛いくらいに私を抱きしめて再び息つく暇もない情熱的なキスが繰り返された。

服を脱いだ斗真さんは、私の首筋や鎖骨に唇を這わせ、そのまま服をまくり上げて器用に脱がせる。

初めて直に触れた肌がとても気持ちよくて、瞳が潤むのを感じながら、斗真さんの背に手を回しぎゅっと抱きしめた。