2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

斗真さんは静かに私の隣に腰掛け、頭をなでてくれる。

「すまなかった、瑞穂。今日は一緒に過ごせるはずだったのに」

ほんとだよ。一緒にいたかったのに。

仕事だなんて嘘をつくなら、ちゃんとつき通してほしかった。

彼女の前で私に電話するなんてひどい。

言葉にすることのできないやるせない想いが、心の奥で絡まっている。

今が何時なのかわからないけど、もしかして、斗真さんは彼女を抱いてからここに来たの……?

胸が苦しくなって、彼のシャツをぎゅっとつかんだ。

「斗真さん……もっとくっつきたい」

頭をなでる手がピタリと止まり、斗真さんの目に戸惑いが宿る。

「……瑞穂、やっぱり酔ってる。早く寝たほうがいい」

「いやっ」

駄々をこねる子どものようにふるふると首を横に振り、斗真さんの体にしがみついた。

大丈夫。何を言っても、何をしても、今ならお酒のせいにできる。

どうせこれは夢で、明日の朝目が覚めたら、きっと斗真さんはここにはいない。

「抱いて、斗真さん……」