2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

軽い食事をお任せでお願いしたけど、二十分後、とんでもなくボリュームのあるお食事が届いた。

アンガス牛のステーキに車海老のココナッツミルク煮、ベイクドポテト、サラダボウルにフルーツの盛り合わせ。

きっと総支配人の気遣いなんだろう。

それに合うというワインボトルまで一緒に用意してくれた。

ワインは遠慮して料理を少しずつ食べ始めたけど、斗真さんのことが気になってやっぱりあまり味がしない。

斗真さんは、もしかしたら仕事だと言って今夜は彼女と過ごし、ここには帰ってこないかもしれない。

明日だって明後日だって、もしかしたら……

考えると胸が張り裂けそうになる。

なんとか気を紛らしたくて、テーブルのワインボトルに目をやった。

お酒は苦手だけど、今日は飲んでしまおうか。

そしてつらいことは忘れてそのまま眠ってしまいたい。

半ば投げやりな気持ちでワインオープナーを手に取った。