2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

高層階にあるオーシャンフロントビューのスイートルームへと案内される。

室内は広いリビングルームとベッドルームに分かれていて、どちらもラナイがついている。

ラナイの向こうに見える透き通るエメラルドグリーンの海は、斗真さんが言っていたプライベートビーチのようだ。

総支配人によると、ここからは夕日が沈むのも目の前で見られるそうだ。

最上階にはインフィニティプールがあり、地平線に溶け込むように海と一体化した景色も楽しめると言う。

この一か月、ハワイでは水着になる機会もあるだろうとダイエットに励もうとしたけど、斗真さんに『たくさん食べろ』と注意されてしまうから、結局ほとんど痩せられないままだった。

だから斗真さんに水着姿を見せるのは恥ずかしいけど、インフィニティプールには一緒に入ってみたいな。


時計は十一時をさしている。

日本との時差がありすぎて全く時間の感覚がない。

土地勘もないからひとりでどこかに食べに行く勇気はなく、ランチはルームサービスで海鮮のクリームパスタとデザートのジェラートをいただいた。

斗真さんとビーチやインフィニティプールへ行くのなら、あまり食べすぎるわけにもいかない。

これでも遠慮したほうだけど、美味しくてあっという間にたいらげてしまった。

四人掛けの広いソファに腰かけて、海を眺める。

「斗真さん、早く来ないかな……」

お昼過ぎに仕事が終わるはずだから、もう少しで到着するだろう。

期待に胸を躍らせながら、斗真さんが来るのを待った。