一か月後。

羽田から約八時間、無事にホノルル空港へ到着した。

斗真さんは五日前にすでにハワイに着いて仕事をしているため、ひとりでの移動だった。

斗真さんが手配してくれたのはファーストクラスだったため、ゆったりした席で長時間のフライトを快適に過ごすことができた。

お酒に弱いからラウンジでも機内でもアルコールが飲めないのは残念だったけど、機内食は先付からメインのお食事、水菓子まで、次々に出てくる高級料亭のような美味しいお料理をお腹いっぱいいただけて大満足だ。

空港まで来てくれた送迎車に乗って、斗真さんが予約した日系の大型リゾートホテルへと移動する。

ホテルに到着すると、50代くらいの日本人男性が出迎えてくれた。

「本宮様、お待ちしておりました」

彼の胸のネームプレートには総支配人の文字。

え?総支配人が私のために出てきちゃうの!?

「お世話になります」

平静を装いながら頭を下げたけど、心の中では思いきり狼狽している自分がいる。

斗真さんの会社はこんな大規模なホテルの支配人とも親交があるのか。

ファーストクラスのこともあるし、本宮ホールディングスは倉橋商事とは比にならないくらいの規模を誇っているのだと今さらながら痛感する。