「実家にあまり行きたくないのは、幸斗に会ってほしくないのもあるんだがな」
黙っていたら、斗真さんがボソッと小さく呟いた。
「幸斗さんに?どうしてですか?」
斗真さんはハッとして一瞬私に視線を向け、またすぐに前を向き直る。
私に聞こえていると思っていなかったのか、ハンドルを握る横顔に動揺がうかがえる。
じっと見つめる私の視線に、斗真さんはあきらめたようにため息をついた。
「あいつはフランクで人との距離が近いからな。あまり瑞穂に近づかれるのは夫としていい気分はしない」
これは、もしかしてやきもち……だったりする?
「あ、あの、大丈夫ですよ。幸斗さんはとても親切ですけど、触れたりされるわけじゃないですし……」
「あいつが悪いやつじゃないのはわかってるが、そういう問題じゃない。嫌なものは嫌なんだ」
いつものクールな斗真さんとは違う拗ねた言い方に、思わず頬が緩む。
やっぱりやきもちを妬いてくれているのかな。
かりそめの妻でしかないのに、こんなことを言われると本当に愛し合っている夫婦のような錯覚に陥ってしまう。
黙っていたら、斗真さんがボソッと小さく呟いた。
「幸斗さんに?どうしてですか?」
斗真さんはハッとして一瞬私に視線を向け、またすぐに前を向き直る。
私に聞こえていると思っていなかったのか、ハンドルを握る横顔に動揺がうかがえる。
じっと見つめる私の視線に、斗真さんはあきらめたようにため息をついた。
「あいつはフランクで人との距離が近いからな。あまり瑞穂に近づかれるのは夫としていい気分はしない」
これは、もしかしてやきもち……だったりする?
「あ、あの、大丈夫ですよ。幸斗さんはとても親切ですけど、触れたりされるわけじゃないですし……」
「あいつが悪いやつじゃないのはわかってるが、そういう問題じゃない。嫌なものは嫌なんだ」
いつものクールな斗真さんとは違う拗ねた言い方に、思わず頬が緩む。
やっぱりやきもちを妬いてくれているのかな。
かりそめの妻でしかないのに、こんなことを言われると本当に愛し合っている夫婦のような錯覚に陥ってしまう。



