数日後、私は斗真さんとともに本宮家にお邪魔することになった。

斗真さんのご両親は私のことを昔から知っているため本当の娘のように接してくれるからとてもありがたい。

だけどいつか離婚することを考えると、二人に会うたびに罪悪感で胸がチクチク痛むのも確かだ。


「最近どうだ。仲良くやってるのか?」

「まあな」

テーブルを挟んでソファに向かい合った義父に尋ねられ、斗真さんはコーヒーを啜りながらしれっと答える。

「それはいいことねえ。早く孫の顔が見たいわ」

義母は頬を緩ませるけど、うまく返事を返せない。

だって斗真さんは子どもなんて望んでいないし、そもそも私たちは体を重ねたこともないのだ。

だけど私の心情に気づくはずもない義母は、宙を見上げてうっとりと想像を膨らませている様子。

「二人の子供ならかわいいでしょうねえ。私は女の子がいいわ。うちは男の子しか生まれなかったから、かわいい洋服を買ってあげるのも楽しみだし」

「跡継ぎが必要なんだから男の子だろ」

「一姫二太郎って言うじゃない。上の子は女の子のほうがいいのよ。」

義父と義母の会話を聞きながら、いたたまれない気持ちになってスカートの膝をぎゅっと握る。