「坂本さん、こんばんは。偶然ですね。お仕事帰りですか?」
坂本さんはなぜか眉を寄せて腑に落ちないような顔をする。
「何言ってるの。待ち合わせしたじゃない」
「待ち合わせ……」
意味がわからなくておうむ返しをする。
「夕方5時に裏口でって、昨日お土産にメモ挟んだでしょ」
メモなんて入っていたかな。
包装紙を開いたら中身は個包装の煎餅で、二枚ほど美味しくいただいたけど……
それにしても、待ち合わせってなんのために?
「まあいいや」
坂本さんが私の右手を掴み、瞬時に体が強張る。
「俺、やっと仕事が落ち着いたんだ。これでデートできるね」
デートって、この人何を……
「瑞穂ちゃんも楽しみにしてたでしょ?どこに行こうか」
こちらを見る目にいやらしさを感じ、背筋がゾッとした。
そうだ。そもそも昼間くる坂本さんは私の退勤時間なんて知らないはずだし、今日は二十分残業していた。
裏口だって、通りとは反対側のひと気のない狭い路地だ。
もしかしてずっとここで待ってた?
「は、離してください」
震える声を絞り出し、力任せに手を振り払う。
その瞬間に坂本さんから笑顔が消えた。
坂本さんはなぜか眉を寄せて腑に落ちないような顔をする。
「何言ってるの。待ち合わせしたじゃない」
「待ち合わせ……」
意味がわからなくておうむ返しをする。
「夕方5時に裏口でって、昨日お土産にメモ挟んだでしょ」
メモなんて入っていたかな。
包装紙を開いたら中身は個包装の煎餅で、二枚ほど美味しくいただいたけど……
それにしても、待ち合わせってなんのために?
「まあいいや」
坂本さんが私の右手を掴み、瞬時に体が強張る。
「俺、やっと仕事が落ち着いたんだ。これでデートできるね」
デートって、この人何を……
「瑞穂ちゃんも楽しみにしてたでしょ?どこに行こうか」
こちらを見る目にいやらしさを感じ、背筋がゾッとした。
そうだ。そもそも昼間くる坂本さんは私の退勤時間なんて知らないはずだし、今日は二十分残業していた。
裏口だって、通りとは反対側のひと気のない狭い路地だ。
もしかしてずっとここで待ってた?
「は、離してください」
震える声を絞り出し、力任せに手を振り払う。
その瞬間に坂本さんから笑顔が消えた。



