俺が体勢をずらし、スプリングが沈んだはずみで瑞穂の顔にはらりと横髪がかかる。

それをそっと耳にかけると、瑞穂は眠ったままくすぐったそうに少し顔を動かした。

こんなに愛おしい気持ちを、俺はいつまで隠し通せるだろうか。

二年後に別れる?

本当にそんなことができるんだろうか。

可能ならば、壊れるくらいに抱きしめて、ずっと俺の胸の中に閉じ込めていたい。

誰にも渡したくなんかない。

瑞穂の幸せを一番に考えようと思うのに、こんなことを考える自分が心底嫌になる。

彼女は俺のことを好きじゃないというのに。

苦しい気持ちを抱えながら、頬にそっと口づける。

「愛してるよ」

彼女に直接伝えられることは一生ないであろう言葉を静かに囁き、俺はまた反対側を向いて目を閉じた。

『脱ぐとすごいんです』なんて言葉が頭をぐるぐると回り、きっと今夜はいつも以上に寝不足になるだろうと思いながら。