パーティーから二週間。

今までが嘘のように、斗真さんは毎日家に帰ってきてくれるようになった。

もちろん多忙なため、帰りは深夜になることもざらにある。

だけど、『今日は遅くなる』『今日は接待がある』と、夕方になると必ずメッセージをくれるのだ。

私が夕食を作る前にと気を使ってくれているんだろう。


今日は珍しく八時には帰宅できた斗真さんと、一緒に夕食をいただく。

今日のメニューは鰆の西京焼き、切干大根の煮物、絹さやの胡麻和えにお味噌汁。

しばらくアメリカにいた斗真さんは和食が恋しかったようだから、なるべく和の料理を作るようにしている。

「瑞穂、いつも思うんだがこの量で足りるのか?」

向かい合ってご飯を食べていたら、唐突に斗真さんが言った。

確かに、斗真さんのお茶碗には自分のものより少し多めにご飯をよそっている。

けれど指摘されるほどの大差はないと思うし、お昼は仕事先でマスターの美味しすぎる賄いをたらふくいただいているのだ。

「私にはちょうどいいですよ。あんまり食べると太っちゃいますし」

「いや、もっと太ったほうがいい。パーティーの時もそうだが、引っ越してきた日だって華奢すぎて壊れるかと思った」

「引っ越してきた日って……」