2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

しばらく参列者とかわるがわる会話をしているうちに、なぜか会場内の賑わう声がだんだん遠くに聞こえる感覚に陥った。

どうしたんだろう。うまく頭が回らない。

「やあ、斗真くん」

声をかけてきた男性の元へ斗真さんとともに歩きながら、急に景色がぐにゃりと歪んで足元がふらついた。

「瑞穂!」

バランスを失って傾いた体は、斗真さんの腕に抱き止められた。

「大丈夫か?」

「は、はい、大丈夫です」

うまく体に力が入らず、今どういう状況なのかもよくわからない。

急に体が宙に浮いたと思ったら、斗真さんが私を横抱きにして持ち上げていた。

「ひゃっ」

思わず声が漏れ、周りのご婦人方から黄色い声が上がる。

「体調が悪いんだろう。無理するな」

体調?言われてみればだるいような気もするけど……

戸惑う私を気にする様子もなく、斗真さんはすたすたと歩き出す。

「あのっ大丈夫ですからっおろしてくださいっ」

意識がはっきりしてきて、恥ずかしさのあまりジタバタするけど、斗真さんはおろしてはくれない。

周囲の温かすぎる視線が痛い。なんなのこの状況は。

駆け寄ってきた春海さんに、斗真さんは医師を呼ぶように指示した。

え?お医者様?

「そこまでしてもらうほどじゃないですっ」

「何かあったらどうするんだ」

珍しく強い口調に、言葉が出てこなくなる。