2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

仕事をいつもより早く上がらせてもらい、迎えに来てくれた斗真さん専属の運転手が運転する車でホテルへ向かう。

電車やバスでも行ける距離だから送迎車なんていらないと言ったのに、仕事が終わったらお店のそばに黒いリムジンが横付けされていて、周囲の視線がとても痛かった。

こんなの、パトカーで連行される犯人を興味津々で見られているのと変わらない。


ホテル内のサロンにはたくさんのカクテルドレスやワンピースが用意されていて、コーディネーターとヘアメイクの担当者が私を待っていた。

「せっかくのお披露目パーティーですもの。とびっきり華やかにしましょうね」

コーディネーターが選んでくれたのは、背中が広く開いた総レースの赤いマーメイドレスとボレロ。

胸元には、いくらするんだろうと戦慄するくらいのゴージャスなネックレス。

私には不相応だと気後れしてしまう。

けれど、髪の毛をアップにしてもらいメイクを施してもらったら、ずいぶんと服装とマッチする姿に仕上がった。

ドレスの色に合わせた赤いルージュが我ながら色っぽく見えて、急に大人の女性になったような気分になる。

「とてもよくお似合いですよ。お姫様みたい。旦那様もきっと驚きますね」

「ありがとうございます」

ヘアメイクを担当してくれた女性が鏡越しに褒めちぎってくれて、「へへっ」とまんざらでもなく照れ笑いする。

やっぱり自分でメイクするのとは大違いだ。

6年ぶりの再会に浮かれていたあの日が、遠い昔のことのように思える。

まだほんの2か月ちょっと前の話なのに。