2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

今回は会社関係者と主要な取引先、百人ほどの来賓が招かれるという。

パーティーや式典には慣れているけど、今まではあくまで参列する側だったから状況が違う。

すでに緊張と不安で胃が痛い。

「挨拶のあとは俺に合わせてついてきてくれればいい。俺や秘書がフォローする」

「はい」

「面倒なら最初の挨拶だけ付き合ってもらって、あとはホテルの上階にとってある部屋で休んでいてもかまわない」

ガラス玉のような感情のない目が、冷たく私の心を突き刺す。

本当は私がいないほうがいいということだろうか。

どうせ別れるのだから、あまり一緒にいることをアピールしたくない、と。

こんなことでいちいち傷つく自分が嫌になる。

ちゃんと割り切らなきゃ。

一旦目を伏せてから顔を上げる。

「いえ。参列される方々に失礼になってしまいますので、同席させてください」

「そうか」

斗真さんはこちらを見ることなく、ネクタイを整えながら答えた。

結婚した以上、二年間は妻という役目を全うしなければならない。

せめて今の『妻』というポジションに責任とプライドを持とう。

そう決めたのだ。