2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

「きれい……」

空に手をかざし、うっとりして呟いた。

「パーティーや両家の親に会うときにはつけてほしい。普段は外していてもかまわないから」

斗真さんが事務的に言い、胸に沸いた感動はあっさり引っ込んでいく。

バカだな、私。また勘違いするところだった。

私たちは期限付きの夫婦だ。

指輪だって、ただ周りを欺くためだけのものでしかない。

「はい、わかりました」

心を凍らせ、にこりと笑みを作る。

こういうことにも慣れていかなきゃ。

いちいち落ち込んでいたらきりがない。

「引っ越しの日なんだが、仕事が立て込んでいて立ち会えそうにない。幸斗が自分がコーディネートした家具を確認するために、俺の代わりに立ち会いたいと言ってる。いいか?」

「ええ、もちろんです。幸斗さんとはほとんど面識がなかったので、お話しできるのが楽しみです」

斗真さんはなぜかムッとした様子で眉を寄せる。

「瑞穂、幸斗とはあまり……」

なぜか口をもごもごさせる斗真さんにきょとんと首を傾げると、彼は「なんでもない」と踵を返した。