2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

その後、『あとは若い二人で』なんてドラマで観たような台詞を言われ、斗真さんと一緒に中庭へ出た。

庭を囲うように立っている河津桜の白い花が咲き乱れ、石灯篭の立つ飛び石の先に池と赤い太鼓橋が見える。

美しい景色なのに、それを楽しむような心の余裕はない。

斗真さんの少し後ろをついて歩きながら、しばし沈黙が続いた。

両親の前では普通に会話できていたのに、二人きりになると何を話せばいいのかわからない。

斗真さんが話をしたいのかどうかもわからないし……


水音を聞きながら太鼓橋の真ん中まで歩いてきたとき、斗真さんは振り返り、スーツのポケットからおもむろに小さな四角い化粧箱を取り出した。

「忙しくてなかなか渡す機会がなくて、こんなところになってしまったが」

斗真さんは箱の中身を取り出し、私の左手をそっと取る。

陽を浴びてキラリと光ったそれは、シンデレラの靴のように薬指にぴたりとはまった。

ストレートタイプのプラチナリングには、メレダイヤが散りばめられている。