2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

三週間後、本宮家と縁のある料亭で結納が行われた。

結納と言っても、形式上のものであって両家の顔合わせがメインだ。

『結婚したらもう着られないから』と母が用意してくれた正絹の薄黄色の振袖は、大小たくさんの牡丹の花が彩り豊かに描かれている。

これは私が成人式の時に着た振袖のサイズを元にして、新たに誂えたものらしい。

お誂えには短くても三か月はかかるだろう。

全く気付かなかった自分もいかがなものかと思うけど、サプライズをするために何か月も前から着々と準備を進めていた両親には、驚きを通り越して感心すら覚える。

斗真さんはブラックフォーマルスーツ姿。

スーツ姿は当然目にしたことがあるけど、サイドに流して丁寧にセットされた髪と白いネクタイが新鮮だ。

まるで新郎みたい。

いや、新郎なんだよね。

私たち、本当に結婚するんだ……

今さらながらじわじわと実感が湧いてきて、複雑な気持ちになる。

本当なら、好きな人と結婚できるなんてこの上なく幸せなことのはずなのに。

『二年我慢してほしい』

あの日の斗真さんの言葉が胸につっかえて、ずっと鈍い痛みを放ち続けている。