2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

「その彼女と別れてないってことなの?」

亜矢は険しい顔をしながら問う。

「うん、多分」

「で、二年後に瑞穂と離婚したらその彼女と結婚?」

「そうだと思う」

「なんなのそいつ。瑞穂のことをなんだと思ってるのよっ」

声を荒げてテーブルを叩いた亜矢に、私は慌てて胸の前で手を振る。

「斗真さんはうちの経営状態がよくないから、それを助けるために結婚してくれるの。感謝しなくちゃ」

亜矢は大袈裟なくらいに深いため息をついて、力無く首を横に振る。

「感謝だなんて。家のための結婚ってだけでも理不尽な話なのに、瑞穂は人がよすぎるのよ」

「そんなことないよ。私は自分勝手なの」

「自分勝手?」

うつむいたままふっと自嘲する。